Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
『……あたしの、知らないこと?』
凛音の困惑混じりの声が機械を通して室内に響く。
それが余計に幹部達の焦りを煽った。
「充!!ヤメロ!言うんじゃねぇ!!」
煌がパソコンの画面に向かって叫び、
「シン!止めさせろっ!」
貴音がシンに制止させる様促す。
だが、シンは愉しげに笑みを浮かべているだけで動く気配はなかった。
当然だ。
シンはこの状況を今か今かと待ち構えていたのだから。
「……チッ。彼方!手伝え!!」
「分かった!」
嵐に促され、嵐と一緒に扉に体当たりする彼方。
今、扉を抉じ開けたところでどうにもならないという事ぐらい二人にも分かっていた。
けど、そんな事言ってられなかった。
「凛音ちゃん!!」
「凛音!聞くな!凛音!!」
必死だったから。
皆、必死だった。
凛音に知られる訳にはいかない。
凛音に告げるのは自分達だ。
自分達が直接伝えなければいけない。
「充!!」
「ヤメロ!充!」
でなければきっと凛音は自分を責める。
鳳皇と親しくなってしまった事を、遊大を大怪我させた者達と親しくなった事を、凛音はきっと責めるだろう。
だから、他の者から言わせる訳にはいかなかった。
もう終わったのだと、遊大は全て許したのだと自分達の口から直接説明しなければいけない。