Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

『……鳳皇を外された理由……?』


焦らす様に少しずつ核心へと触れていく充。


その嬉々とした表情はまるで獲物を狙う狩人のようで。


ただならぬ緊迫感と言い表せぬ程の絶望感が室内を圧迫した。


飛び交う叫声は最早何と言っているのか聞き取れず、そんな中で、何故かハッキリと聞こえている充と凛音の会話。



『そう。何故“D”が鳳皇から外されたのか、その原因をアンタは知らないだろう?』


『……それってもしかして“D”が獅鷹と鳳皇を仲違いさせたっていう……?』



「──っ」


叫声の中、凛音の発したその一言である男が覚醒した。


「……ヤメロ」


それは、今の今まで虚ろな瞳で画面を見つめていた十夜。


──否、十夜は今もまだ虚ろな瞳で画面を見つめていた。


さっきと違うのは、形の良い唇が微かに動いているということだけ。



『聞いたのか?』


『……聞いてはない』


「……やめろ」


『だよな。聞いたらそんなに冷静ではいられな──』



「ヤメロ……ッ!!」



十夜から放たれた叫声は充の語尾を掻き消す程大きく、それまで騒がしかった室内が一瞬にして静まり返った。


突然の叫声に必死で叫んでいた幹部達が一斉に振り向き、



「十夜?」


叫んだのが十夜だと認識した瞬間、皆揃って眉を潜めた。



「十夜?とぉ……っ、」


恐る恐る十夜に近付いていった陽。


下から十夜を覗き込んだ陽は次の瞬間、驚愕の余り息を呑んだ。



『俺は知ってる。何もかも』



「……やめろ」



『何が原因で仲違いしたのか』



「……充、やめろ。やめろ……ッ!!」



見開かれた瞳と何度も放たれる叫声。


画面へと真っ直ぐに突き刺さるその視線は、他の者など一切眼中にない。


十夜が見据えるのはただ一人。






『原因は──』


「やめろっ!!言うな……っ!!」




──画面の中の、充だけ。




 -客観的視点 end-
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