Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「……フッ。黙って聞いてれば綺麗事ばっかだな」
不意に向けられたその言葉に、ハッと息を呑んだ。
呆れ混じりに吐き出された言葉は、充くんから発せられたもの。
遊大から充くんに再び視線を移せば、身震いしそうな程冷めた瞳と視線がぶつかって、柄にも無く言葉が詰まった。
やっぱり、何度目にしても充くんの冷めた瞳は慣れない。
「一度だって抱かなかったのか?」
突然の質問にビクンと飛び跳ねた身体。
けれど、その言葉が自分に向けられたものではないと直ぐに気付いた。
「大怪我させた奴等が憎いと」
「……っ」
「自分をこんな風にした奴等が憎いと」
充くんが問い掛けているのはあたしではない。
「白狼に、……鳳皇に憎悪を抱かなかったのか?」
──遊大に、だ。
遊大はその問い掛けに対して何も応えなかった。
ただ充くんを睨むだけで、何の反応も示さない。
それはやっぱり、充くんの質問が的を得ているからだろうか。
白狼を……鳳皇を憎んでいるから?
ねぇ、そうなの?遊大……。