Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
-客観的視点-
「……凛音の、知らない事?」
「何の事だ?」
「遊大の事以外で他に何かあったか?」
場所は変わって西沢工場跡の一室。
そこで獅鷹、鳳皇幹部達は画面越しに凛音達の会話を聞いていた。
一時の高ぶりは今は無く、時折充に対して声を荒げるだけに留まっている。
それは、遊大が凛音に上手く説明してくれたお陰だった。
触り程度しか話していないが、今はあれで十分。
あとはこの抗争が終わった後、自分達の口から直接説明したらいい。
貴音達はそう思っていた。
そんな中だった。
充の意味ありげな言葉が室内に響いたのは。
“まだあるんだよ。アンタの知らない事”
その言葉は獅鷹幹部達に一つの疑問を抱かせた。
遊大の怪我以外に凛音に関係のある事?
獅鷹幹部達には充が何の事を言っているのか見当もつかない。
だから問い掛けてみたのだ。
十夜達鳳皇幹部に直接。
「十夜、何の事を言っているのか分か──」
けれど、その問い掛けは中途半端に止まった。
「……十夜?煌?お前等……」
獅鷹幹部達の目に映ったのは、顔面蒼白な鳳皇幹部達の姿。
「……オイ。お前等どうしたんだよ?」
「陽くん?壱くん?」
画面を見つめたまま固まっている五人に口々に呼び掛ける獅鷹幹部達。
幾ら呼び掛けても何の反応も無く、十夜達が見ているのはただ一点、画面の中だけ。
呆然と立ち竦むその姿は首を傾げたくなる程異様な光景で、獅鷹幹部達は五人の姿を訝しげに見つめる事しか出来なかった。
獅鷹幹部達の視線を一心に受けても尚、画面を見続ける鳳皇幹部達。
その様子をほくそ笑みながら見物している三人の男達がいた。
それは、隣のビルに居る“D”の幹部達。
彼等は今か今かと待っていたのだ。
“敵”が堕ちていくのを。
トップから陥落させる瞬間を、心を躍らせながら待っていた。
敵が堕ちていくまで、あと少し。
『──あの日、アンタは何をしていた?』
──カウントダウンが、始まる。