Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「何処って違うアジトへ帰るんだよ。で、掃除しに行く」
「違うアジト?掃除?」
本当に意味が分からない。
“違うアジト”も“掃除”も、あたしには全然理解出来ない。
「お前等、幾つもアジトがあんのかよ?」
優音も言っている意味が理解出来なかったのか、奴等に疑問をぶつけた。
「それはお前等も知っている事だろう?中田に聞いて」
その問い掛けに応えたのはトップの男ではなくキョウだった。
……って言うか待って。今何て言った?
中田に聞いて?
初めて聞いたその事実に直ぐ様振り向くと、優音はキョウに鋭い視線を向けていた。
優音は知っていたの?
中田から幾つもアジトがあると聞いていた?
「何故俺等を捕らえない?このまま逃がすつもりなのか?」
急に話題を転換した優音。
けれど、奴等を睨む鋭い視線は変わらない。
「そうだな。お前達にもう用はない」
「……じゃあ何故俺を捕らえた?」
優音の言う事は尤もだった。
用が無いのならあたし達を捕らえる必要は無かった筈だ。
「最初からお前達を人質にするつもりなんてなかったさ。今お前達を捕らえても無意味なんでね。まだ此方の“準備”が出来てないんだよ。
俺はただお前達が何故“此処”を知ったのか知りたかっただけだ。だからキョウに時間稼ぎをさせる為探しに行かせた。
けど、無駄だったみたいだな。今となっては何故“此処”を知ったかなんてどうでもいい」
「どうでも、いい?」
なんで?なんでもうどうでもいいの?
重なっていく疑問の数々。
一つも解決しないまま話が進められていき、余計に頭が混乱する。