Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「鳳皇を呼びたきゃ勝手に呼べよ。けど、アイツ等が此処に着いた時にはもう俺達は居ねぇけどな」
「……っ、」
「お前達は捕らわれた時点でもうチャンスを失ってたんだよ。
お前達が今からすべき事はただ一つ。帰って“D”を逃がしましたと報告する事だ」
男はそう言うと至極愉しそうに口元を緩め、身体の向きを変えた。
「……っ、」
ムカつくのに。
物凄くムカつくのに、あたし達は何も言い返す事が出来ない。
男の言う通りだからだ。
あたし達はコイツ等に捕まった時点で十夜達に知らせるチャンスを失っていた。
それでも電話しようと思ったのはこのまま捕らえられると思っていたから。
けど、このまま解放されると言うのなら十夜達に知らせても無駄だという事になる。
今電話しても十夜達が着くまでに逃げられてしまうだろう。
あんなにも必死で探していた“D”が目の前にいるのにこのまま逃がすなんてそんなの絶対に嫌だ。
このチャンスを逃す訳にはいかない。
今、奴等が逃げると言うのなら、
「こっちが捕まえるだけだ」
あたし達が“D”を捕まえる。
ただ、それだけ。
「凛音、お前──」
「優、今すぐ十夜に電話して」
「は?」
「十夜達が来るまであたし達が奴等を食い止める」
そう言うと、ポケットから素早く携帯を取り出し、優音に手渡した。
そしてその後右足を上げ、履いていたパンプスを脱いだ。
コイツ等は下っ端じゃない。
本気で殺らなきゃこっちが殺られる。
だから、パンプスじゃ駄目だ。
そんなに高いヒールではないけれど、闘うには不適切だから。