Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

『俺達が気付いてねぇとでも思ったのかよ』


……嘘でしょ。まさか奴等に気付かれてたなんて。


目の前に立っていたのは紛れもなくあたしが追い掛けてきた男達四人で。


携帯に夢中になっていて、男達が近付いて来てた事に全然気付かなかった。



『タクシーだったから止まらずに来たけど、お前、誰?何の用?』


『………』


『何?まさか俺達に喧嘩でも売りに来たってか?』



勝手にそう決め付けた金髪の男が小馬鹿にした様にハッと鼻で笑う。


それでもあたしは何も言わなかった。

否、言えなかった。


どうしたらいいのか分からなかったからだ。


あたしの予定では直弥さん達が来るまで此処で待機する筈だった。


まさか奴等にバレるだなんて……。



『何だよ、その目』


『………』


『何とか言えやコラ』


『オイ、吉川。落ち着けって』


『……チッ』



あたしの目付きが気に入らなかったのか、金髪の男があたしの胸倉を掴もうと手を伸ばしにきた。


それを右隣にいた男が寸での所で止める。


金髪の男は舌打ちし、止めた男の腕を荒々しく払い除けた後その手をポケットに突っ込んだ。



『アンタさ、何が目的なのかさっさと言わねぇとコイツ何するか分かんねぇぜ?』



金髪の男を指差しながらあたしに笑顔を向ける長髪の男。


男の口調は柔らかいものの、鋭い双眸はあたしの表情を見逃すまいと妖しく光っている。



『………』


『何だよ。いつまでだんまりし続けるつもりだよ。吉川だけじゃなく俺もキレそうなんだけど』


『……テメェ、これ以上黙るつもりならアイツみてぇにボコんぞ』

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