Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
薄気味悪い笑みから一変し、馬鹿にした様な笑みで一言そう吐き捨てた男はトンッとあたしの左肩を人差し指で軽く押した後、まるで見せ付けるかの様に首を大きく一回転させた。
……コイツ、繁華街の時から思ってたけど、ムカツク。
知り合いを目の前にしても余裕の態度で突っ掛かってくる男に、怒りのバロメーターがピークに達していく。
『なんで……なんで遊大をあんな目に合わせた?』
怒りで震える身体。
拳を強く握り締めていないと我を忘れそうだ。
『幹部だから。遊大が獅鷹幹部だから喧嘩売ったのか!?お前等の目的は何だ!?』
『……あ?獅鷹?』
あたしの言葉に眉を潜める男。
まるで初耳だとでも言いたげなその表情にとうとうあたしの怒りがピークに達した。
『しらばっくれてんじゃねぇよ!!“此処”はS県じゃなくてN県だ!獅鷹を潰しても県NO1にはなれねぇだろうがっ!!』
口を開けば最後。怒りが収まらない限り止まる事はない。
『一人の所を狙いやがって!NO1が欲しいんなら真っ向から来いよ!!』
『……テメェ、言わせておけば……!』
『──笠野、待て』
『あぁ?』
突っ掛かってきそうになった男を何故か引き止めた金髪の男。
その男の表情はとてもじゃないが罵られてする様な表情には見えない。
──何か企んでる?
そう思ったけど、次の瞬間、男の口から飛び出したのは思いがけない肯定の言葉だった。
『お前の言う通りだよ。俺等は命令されてやったんだ。“総長”に、な』