俺様黒王子とニセ恋!?契約
そして、間隔を開けたままで向き合っている私と篤樹に交互に視線を向けた後。
「……あれ……?」
パチパチと瞬きしながら、何か思い起こそうとするように額に手をやった。
「っ……」
それを見て、篤樹が勢いよく踵を返した。
「あっ……」
呼び止めようと口を開いた私を無視して、そのまま大股で先に歩いて行ってしまう。
その背中を見送って、怪訝な気分になりながらも、寂しさを隠せず俯いた。
だけど、今はこれでいい。
これだけでも、私にとっては大きなアドバンテージだ。
そう自分に言い聞かせて、私は元気よく顔を上げる。
静川さんに向き合って、
「今日はありがとうございました」
そう言って頭を下げた後、姿勢を正した。
そして、思わず首を傾げてしまう。
静川さんは何故か大きく見開いた目で、私をジッと観察していたのだ。
「あ、あの……?」
そんな目をされたら、さすがに居心地悪い。
そっと肩を竦めると、静川さんは口元に手を当てながら、ボソッと呟いた。
「みお。……四宮、澪」
「……? あの……」
きょとんとした顔で戸惑う私に、静川さんは何かに合点したのか、ポンと手を打つと清々しい表情を浮かべた。
そして、込み上げる笑いを徐々に放出するように、クックッと肩を揺らして最後は声を上げて笑い出した。
「……あれ……?」
パチパチと瞬きしながら、何か思い起こそうとするように額に手をやった。
「っ……」
それを見て、篤樹が勢いよく踵を返した。
「あっ……」
呼び止めようと口を開いた私を無視して、そのまま大股で先に歩いて行ってしまう。
その背中を見送って、怪訝な気分になりながらも、寂しさを隠せず俯いた。
だけど、今はこれでいい。
これだけでも、私にとっては大きなアドバンテージだ。
そう自分に言い聞かせて、私は元気よく顔を上げる。
静川さんに向き合って、
「今日はありがとうございました」
そう言って頭を下げた後、姿勢を正した。
そして、思わず首を傾げてしまう。
静川さんは何故か大きく見開いた目で、私をジッと観察していたのだ。
「あ、あの……?」
そんな目をされたら、さすがに居心地悪い。
そっと肩を竦めると、静川さんは口元に手を当てながら、ボソッと呟いた。
「みお。……四宮、澪」
「……? あの……」
きょとんとした顔で戸惑う私に、静川さんは何かに合点したのか、ポンと手を打つと清々しい表情を浮かべた。
そして、込み上げる笑いを徐々に放出するように、クックッと肩を揺らして最後は声を上げて笑い出した。