キミが欲しい、とキスが言う
*
軽く寝直すこと二時間。予想外に早く目が覚めてしまったのは、やはり一方的にさせられた約束が気になるからだろう。
洗濯機を回しながらシャワーを浴び、身だしなみを整えてから出来上がった洗濯物を干す。
そうこうしているうちに、玄関ベルが一度だけ鳴らされた。
「はい」
「あれ、起きてました?」
そこにいたのは馬場くんだ。
朝よりは少しかしこまったTシャツにジーンズ。それでもラフな格好であることには変わりない。
すでに汗がにじんでいて、首のあたりは湿った色になっている。
「起きてたわよ。音響かなかった?」
洗濯機の音なんか結構響くのに、気づかないとかどうかしている。
「ちょっと出かけてたんです。それより、どこ行きたいです?」
「どこでもいいわよ。夜は仕事もあるから、遠出はカンベンだわ」
「了解。中と外なら?」
「日焼けNGだから中」
「オッケーです。準備できたら来てください。車、下に置いてあります」
ここのアパートには駐車場がない。
だから車と言われて思わず聞き返してしまった。
「……馬場くん、車持ってたの?」
「仲道さんから借りてきました」
ああ、それでさっきまでいなかったってことね。納得。
「わざわざ?」
「だってあんまり立ちっぱなしだと疲れるでしょう。下で待ってます。準備できたら来てください」
あんまりされない気の使われ方に、ほわんと心があったかくなる。
勢いで連れ出されている感じはしないでもないけど、たまにはいいかもしれない。
ちょっとだけ、うきうきした気分になっているから。
軽く寝直すこと二時間。予想外に早く目が覚めてしまったのは、やはり一方的にさせられた約束が気になるからだろう。
洗濯機を回しながらシャワーを浴び、身だしなみを整えてから出来上がった洗濯物を干す。
そうこうしているうちに、玄関ベルが一度だけ鳴らされた。
「はい」
「あれ、起きてました?」
そこにいたのは馬場くんだ。
朝よりは少しかしこまったTシャツにジーンズ。それでもラフな格好であることには変わりない。
すでに汗がにじんでいて、首のあたりは湿った色になっている。
「起きてたわよ。音響かなかった?」
洗濯機の音なんか結構響くのに、気づかないとかどうかしている。
「ちょっと出かけてたんです。それより、どこ行きたいです?」
「どこでもいいわよ。夜は仕事もあるから、遠出はカンベンだわ」
「了解。中と外なら?」
「日焼けNGだから中」
「オッケーです。準備できたら来てください。車、下に置いてあります」
ここのアパートには駐車場がない。
だから車と言われて思わず聞き返してしまった。
「……馬場くん、車持ってたの?」
「仲道さんから借りてきました」
ああ、それでさっきまでいなかったってことね。納得。
「わざわざ?」
「だってあんまり立ちっぱなしだと疲れるでしょう。下で待ってます。準備できたら来てください」
あんまりされない気の使われ方に、ほわんと心があったかくなる。
勢いで連れ出されている感じはしないでもないけど、たまにはいいかもしれない。
ちょっとだけ、うきうきした気分になっているから。