政略結婚から助けてくれたのは御曹司様

本音



会長である爺さん
社長である叔父に
志津香を紹介し、婚約発表をした

これで煩わしい話も無くなる
志津香も、自分の時間を有意義に使っている


週1回、料理教室に通い
通信で栄養士の資格を取る、と言って
勉強をしている


志津香は裁縫が得意だ
暇さえあれば何かを作っていて
家に帰って、新しいものがあると
俺の心はホッコリする


そして、何より嬉しいのが


『美紗子さんがね…』


今まで志津香から友人らしき人の名前が出てきたことがなかった
それが料理教室に通いだして数週間で
美紗子という友達ができたという


志津香が言うには
その美紗子という友人は
老舗の乾物屋に嫁ぐという
だが本人は一般家庭の人間らしく
しかも実家暮らしで家事を殆どしたことがないという

それで料理教室か、と納得
しかも志津香と同い年だという事に驚いたのと、彼女の容姿は志津香が言うには「個性的」だと言う


多少の興味と不安があったが
それでも志津香にとっては唯一の友達だと思えば微笑ましく思えた
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