政略結婚から助けてくれたのは御曹司様



「迷惑かけて、申し訳ない」



平日のランチタイム
いつもは社食や取引先と会食だが
今日は老舗の喫茶店にいた



「いいえ、斗真さんに頼られたのが嬉しかったみたいで、気合入りまくってます」



そう答えてくれたのは光哉くん
取引先からの帰り、昼飯を食べて帰ろうかと歩きながら考えていたら声をかけられた



初めは誰かわからなかった



「しかし、和装とは…。けど似合うな」



恐れ入ります、と格好に似合わず
スプーンを口に運ぶ光哉くん



「ここのオムライス、小さい頃から大好きなんです」



そう言って進めてきた
いい大人、しかも男二人で
オムライスを食べている

笑っちまう。




「それで、ご両親に会いに行く日は決まったんですか?」


「ああ…父親の方には連絡済み。けど母親の方は連絡付かず。勤務先は知ってるから、そこに行こうかと思ってる」



そうですか、とオムライスをまた一口食べる光哉くん



「美味いな、オムライス」



最後の一口、オムライスを口に頬張る
けど、志津香が作ったオムライスの方が美味いと思ってしまう


それが伝わったのか
光哉くんはニヤニヤしながら


「俺も、美紗子がつくるオムライスが一番なんです」


俺も、と強調してきた
まったく、と思いながらも憎めない奴だ
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