政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
「お嬢様、本日の御夕食は旦那様が奥さま3人で外食されると言われておりました。20時に予約を致しましたのでご準備をお願いします」
いつも迎えに来てくれる
運転手の前橋さん
『そう、…ありがとう』
3人で食事なんて、いつ以来だろう
父の気まぐれに付き合うのも嫌になる
家に帰れば、父に呼ばれるんだろう
父が私より先に家にいるときは絶対だ
案の定、家に帰ると
お手伝いさんに言われた
「旦那さまがお待ちになっています」
今日は母がいるのに……
そう思いながら、着替えることもせず
制服のまま父の部屋へ向かった
コン、コン
『志津香です』
「入りなさい」
父の部屋に入ると
父は机ではなく、一人用のソファに座り
本を読んでいた
『ただいま帰りました』
「おかえり、志津香。夜の事は聞いたかい?久しぶりに家族水入らずで食事をしよう、いいかい?」
いいかい?
聞かなくても決定事項だ
『はい、大丈夫です』
そう言うと、父は本をパタンと閉じ
書斎へと入っていった
やっぱり……
また小さなため息をついて
私は父に続き書斎へ入る
まただ、と思ったが
これから何が起こるか
私の予想を遥かに超えるものだった