政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
座りなさい、と珍しく
ソファに座らせる父
書斎のソファに座るのは
書斎に初めて入った日、父に初めて犯された日以来だ
「志津香、お前はこの1年で男を知ることができたと思う。志津香みたいなおしとやかな女は受身がいいだろう」
父の言葉に気持ち悪くなる
受身がいい、なんて誰が決めた?
私は受身ではない
ただ終わるのを待っているだけだ
「……けど、受身でも必要なものが志津香には欠けているよ、わかるかい?」
父の問いかけは優しいが
目が……怖い
『……わかりません』
そういうと、父は立ち上がり
私の手を取り歩き出す
向かった先は壁一面の本棚
父が本を取り出し、何かをした
本棚がゆっくらスライドしていく
初めて知る書斎の仕組みだ
本棚の裏に納戸のような
小さなスペースがあった
「志津香、自分の目で見ることも大事だよ」
そう言って私をそのスペースに座らせた
何が何だかわからない
だが、父に逆らうと何をされるかわからない
「いい子だ、」
そう言って父は私の口にタオルを巻き結ぶ
「声を出したらダメだよ?わかったね」
そう言って父は出て行き
本棚の扉は閉められた