政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
中は真っ暗、
本の隙間から微かな明かりが入ってくるが
外の様子は全くわからない
暫くすると、誰かが書斎に入ってきた
誰?
私は息を潜めた
こんなところにいるなんて
誰にも知られたくない
「志津香はいないの?」
この声は、母だ
母が書斎に入ってきたんだ
母にはばれたくない、
そう思うと変な汗が出る
「ああ、さっき準備すると言って出て行ったよ?お風呂にでもはいってるんじゃないかな?、すまないが、そこの本棚から青い本を取ってくれるかい?」
その声の後、こちらに近づいてくる足音
まさか、ここに?
できるだけ身を屈め
息を潜め、ただ見つからないようにした
「これ?」
一つの本が抜かれた
その本が抜かれたことで
暗闇だったスペースに明かりが入る
母が遠ざかっていく安堵
そして、好奇心から
本の隙間から書斎を覗く
これが父の策略とも知らずに……
「ああ、ありがとう」
本を受け取り父は
反対の腕を母の腰に回した
「少し見ない間に、また綺麗になったね」
「んっ、そうかしら…んっ」
父が母の首筋にキスをしている
本を置いた手が、母の身体を捕らえる
その時、父と目が合ってしまった
父は……笑っている
父は……
私に二人を見せようとしているんだ