政略結婚から助けてくれたのは御曹司様



「実和子を見ただろう?あれがメスだ」
「志津香も学習するように」


そう言って制服のボタンに手をかけた




父は母のように
声を喘げと言うつもりなんだろう
けど、私は決して声を出さない

出せば……父の思うツボだ
出さないわけじゃない
出す必要がない


父との行為は
母が感じているほど
私には良いものではないからだ


早く終わって欲しい
早く……




「急には無理だろう、少しずつやっていったらいいよ、」



父はベットから離れていった
制服をかき集め袖を通す


急いで書斎から出て
自室へ走り出す



早く流したい、
早く一人になりたい
早く……泣きたい


こんな気持ちになったのは
初めて父に犯された日以来だ



私には助けてくれる人はいない
母も父も、悪魔にしか思えなかった



その夜、父と母は食事へと出かけた
体調が優れない、と
私は食事を断った


父の顔も、
母の顔も……見たくない


運良く、母は来週から旅行だ
父が忙しければなお嬉しい


来週は志摩子さんとの約束がある
それだけが唯一の楽しみだ


そうだ、志摩子さんにお願いしよう
なるべく私を誘って欲しい、と。

父の事も毛嫌いしているから
志摩子さんなら何かを察してくれて
私を連れ回してくれるだろう


そう思えば少しだけ気持ちが和らいだ
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