政略結婚から助けてくれたのは御曹司様


体調が悪いと、部屋から一歩も出なかった
お手伝いさんが食事を運んでくれた
父も、何も知らない母も
私を心配することはない

母の声が聞こえ聞こえる
旅行に行くのを楽しみにしている様子だ


早く、この家から出たい
その思いが強く
私は次の総会で相手を見つけようと決めた



運良く、母が旅行に出ると
父の仕事も忙しいらしく
私と顔を合わすことはなかった


そんな中、久しぶりに叔母である志摩子さんとの約束の日

志摩子さんが迎えに来てくれて
私と志摩子さんは店へと向かった



「何色がいいかしら…?」


志摩子さんはズラッと並ぶドレスを物色している
私はソファに座り、テーブルに出された
アクセサリーを眺めていた


一体、いくらするんだ
そんなことばかり考えてしまう

志摩子さんは私がやっと総会に出てくれるんだから、と全て出してくれるという

節約家の志摩子さんが全て出すとなると
かなり本気だということだ


幾つかのドレスが並び
私は試着をし、志摩子さんのOKが出た
モスグリーンのAラインのロングドレスになった


『…志摩子さん、ちょっと背中が開きすぎじゃないかしら?』


鏡で見ると、背中の半分くらい開いている


「何言ってるのよ、志津香は肌が綺麗なんだから、こういう時くらい出さなきゃ」


志摩子さんの意見に逆らえず
そのドレスになってしまった
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