政略結婚から助けてくれたのは御曹司様



「遅れて申し訳ない、堂本陽介です」



そう言って手を差し出してきた陽介さん
その手に自分の手を重ねるか
私は躊躇してしまう


隣にいる志摩子さんが
志津香、と小声で呼んできた

『初めまして……赤城志津香です』


そう言って陽介さんの手を取る
思えば父や祖父以外の人に
触れるのは初めてだ


握手を交わす……が
なんだか違和感があり
すぐ自分の手を引っ込めてしまった


私達は席に着き
4人で雑談を始めた


雑談と言っても、陽介さんと私の事を当たり障りがない話


陽介さんは大学を卒業し
勤めて3年だという、
今は副社長の役職について
日々、堂本社長の下に付き
経営を学んでいるという


経営を学ぶ、その言葉に私には違和感しかない


「志津香さんも、赤城社長に経営学を学ばれているとお聞きしましたが?」



『……はい、けどまだ学生なので、そこまで詳しくは……まだ、』



自分の答えの歯切れの悪さが
なんとも恥ずかしい

一度も経営学など学んだことがない



30分ほど話した後、
二人で話してきなさい、と言われてしまった


私と陽介さんは
テラス席へと移動した


テラスには誰もいなく私達だけ
席に座るのかと思えば、座らず
陽介さんと散歩する形となった
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