政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
「果穂ちゃんは僕の理想そのもの!3年前、志津香さんを一目見たとき、運命だと思ったんだ。僕らは結ばれる運命なんだっ!志津香さんは果穂ちゃんなんだ」
勢いよく話す陽介さん
どうやら私は、その果穂という人に
容姿がそっくりらしい
そして、その果穂という人は
実現しない人物なんだろう
……二次元の世界なのか、
もしかして、オタクなんだろうか。
そんな事よりも……気持ち悪い
さっきまで涼しい顔をし
イケメン風を吹かせていた陽介さん
今は興奮状態で鼻息も荒い
私が一歩後退すれば
陽介さんは一歩詰め寄ってくる
『あの、……私はその果穂という人では、ないんです』
わかってるだろう事を口に出す
「いや、志津香さんは果穂ちゃんだ……僕らは結ばれる運命なんだ」
「そうだ、早く結婚しよう。1日も早く果穂ちゃんを僕の物に……」
そう言って、私に近づいてくる
陽介さんの中では赤城志津香ではなく
その、美波果穂と結婚するつもりなんだろう
そのうち、私の事を「果穂」と呼ぶんだろうと思うと、鳥肌が立つ
『む、無理ですっ!私はまだ結婚なんて考えてませんし、そ、それに、私は果穂ではありませんっ!』
そういうと、陽介さんの目の色が変わった
ここはテラスから離れている
もし、何かあっても誰にも気がつかれない
非常にまずい
そう思い、テラスの方へと私は逃げ出した