政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
彼は、赤城?と小さく呟いた
え?と、彼を見れば
フッと笑ってくれて
「果穂ちゃんだと思ってた」
「俺は神谷斗真、よろしくね」
やっと、名前が聞けた
神谷斗真さん……
「で、なんで果穂ちゃんなの?」
斗真さんの疑問は御尤もだ
あの日、陽介さんが話した果穂ちゃんというキャラクターのことを
私は斗真さんに話した
何度も斗真さんは吹き出しながら笑い
最後にはお腹を抱えて笑っていた
「ま、まさか、二次元オタクだったとはっ……クックックッ」
斗真さんは、陽介さんの事を
仕事上、付き合いがあるらしい
陽介さんと、と言うより
堂本コーポレーションとだ
斗真さんがどういった仕事をしているか
私は聞かなかった
興味がないわけじゃない、
けど、何でも聞いたら失礼なんじゃないかと思ってしまった
今日はお礼も言えたし
名前も聞けたから満足だ
もしかしたら、もう会うこともないかもしれない、
それでも、祖父や志摩子さんの知り合いなら、またいつか会えるだろう
そんな期待を持っていた
おっと、
斗真さんがポケットからスマホを取り出す
「時間か、」
その言葉に、お別れの時間だとわかった
『貴重なお時間を引き止めてしまって、すみませんでした』
私が話しかけなかったら
斗真さんは買い物を楽しめたはず
けど、斗真さんは
楽しかったよ、と言ってくれた