政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
今日の事を思い出していた
志摩子さんが私に、と買ってくれた
ブランドのバック
いらないのに、と思いながら
それでも、彼と会えた事を思えば
口元が緩む
斗真さんと別れる時
またね、と言って私の肩に手を置いた
その肩が今でも暑い
もう季節も冬だというのに……
もう少ししたら冬期休暇が始まる
それが結構辛かったりする
今年も、なんだかんだ稽古をするんだろうけど、何よりも父と顔をあわせる機会が増えるのが嫌だ
冬期休暇まで、あと10日だ
今年は祖父の家にでも行こう
そう思っていた
けど、祖父の家に行くのは
冬期休暇に入る前だった
何も変わらない日々を送っていた
いつものように、授業を受け
いつものように上辺だけの会話をし
いつものように運転手が迎えに来て
いつものように自宅へ帰る
……と思っていたが、帰路が違う
『自宅への道はこっちですよ?』
そう言うと、運転手さんは
「大旦那様がお呼びです」
それだけ言って、ただ前を見て運転していた
大旦那様、それは祖父だ
祖父が呼んでいる?
私を?何かの間違いじゃないか?
私単独で呼ばれることは
今までに何度かあった
が、それは事前に連絡が来て
いつがいい?と言った確認があった
何かがある、
それが何なのかわからない
少しの緊張を持ちながら、祖父がいる
屋敷へ向かった