政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
ひどい時は2日に1回
少ない時は1週間に1回
父は必ず私を呼びつける
それが苦痛でならない
お手伝いさんたちは
父が私に経営者としてのイロハを教え込んでいるんだと思っている
殆ど家にいない父
仕事で海外へ行ったり
仕事が忙しくて夜中に帰宅し
朝早く出勤していく
時間が空いた時に、私は父に呼ばれる
前回、父に呼ばれたのは1週間前だ
私は鞄から手帳を開き
あることを確認する
それを見て、少し安堵する
父が好きな服に着替え自室から出た
長い廊下の先にあるのが父の部屋
父の部屋の奥には書斎がある
父の部屋からお手伝いさんが出てきた
頬を赤らめているのがわかる
父はお手伝いさんに手を出す癖がある
「二人だけの秘密だ」
そう言って、多様無言にさせ
他のお手伝いさんに知られないように…
誰もが父の話術にかかり
自分だけだと暗示をかけられている
そんな父を私は軽蔑している
いや、男という生き物を軽蔑している
コン、コン
『お父様、志津香です』
そう言うと
「入りなさい」
優しい口調の父の声が返ってきた
私は父の部屋へ入る
父は机の上で仕事をしていた
広い父の部屋は
書類やファイルがズラリと並べられ
棚に入りきれていないものが
いくつもある
この部屋だけは誰も勝手に入れない
掃除一つにしても、父がいないと入れないようになっていた