政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
「お久しぶりですね、赤城さん」
「お久しぶりです。この度は娘の縁談を受け入れて頂きありがとうございます」
陽介の父と私の父は
ガッチリ握手を交わしている
娘の縁談を受け入れて?
違うでしょ、
私は赤城のために結婚するんだ
それを間違えないで欲しい
「志津香さん、素敵な着物ね」
今日初めて会う陽介の母
おしとやかそうな顔
柔らかな口調
それに似合わないゴージャスなアクセサリーがガチャガチャついている
「お義父様からのプレゼントなんです、志津香の晴れの日に、と」
それに負けじとくるのが私の母だ
倒産危機だと言っていた割には
真新しい服に、煌びやかなアクセサリー
いつものキツイ香水を付け
真っ赤な口紅が笑っている
両親に会うのは久しぶりだ
陽介を選んだ日から半年はすぎている
両親が今どこで
どうやって生活しているのか知らない
今まで住んでいた家を出るように、と
祖父が言っていたから
あの家には住んでいないのはわかる
結納の儀が終わり、そのまま会食
苦痛の時間が2時間は過ぎている
まだこれから2時間はかかると思うと
ため息をつきたくなる
『すみません、化粧直しを……』
そう断り、私は席を立った
一つ自分に休憩を入れたい
あの部屋に居たくない……
私は化粧室へは行かず
ホテルに隣接されてある
ガーデンテラスへと足を向けた