政略結婚から助けてくれたのは御曹司様



ふぅー…


ここなら、誰にも見つからない。
あの人達のいない所に居たかった
目の届かない場所に……


結婚式はどうする?とか
どこでする?とか
新居に住むのはいつから?とか
卒業したら専業主婦でしょ?とか


私達の話なのに
私の意見は聞かず話だけが進む

それが政略結婚だ



だから、私が席を外したことも
大したことじゃないだろう



『……私が男だったら違ったのかな』



私が男でも、倒産危機なら
どこかの令嬢と政略結婚だろう


考えただけ無駄だった



『赤城に……産まれたのが間違いだ』



子は親を選べない…
またため息をつく




「赤城に生まれなけりゃ、俺は志津香と出会えなかったかもしれない」



私の独り言に返ってきた返事に
私は驚き、声の主を見つめた



「偶然だね?……それとも運命かな?」



そう笑って見せる顔
懐かしい…
まさか会えるなんて思ってもみなかった




『……斗真さ、ん』



「その格好は……もしかして結納?」



斗真さんの言葉に、何も返せなかった
斗真さんの申し出を断り
赤城のためとはいえ、私は陽介を選んだ



「……まあ、堂本は俺の会社より遥かにデカイ、天秤にかけたら誰でもそっちにいくだろうなあ」


斗真さんが気を使ってか
軽い声で笑いながら話す
けど、それが逆に、辛い
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