政略結婚から助けてくれたのは御曹司様


両親に感謝会えてもちっとも嬉しくない
早く志摩子さんの家に帰りたかった



「今ね〜、お義父様のマンションで暮らしているの。あまり広くないけどね」


祖父は幾つかマンションを所有している
その中の一つだろう

母が私に話しかけてくるが
全く興味がない


「寄ってく?」



友達みたいなノリで
そんなこと言われても全く嬉しくない



『いえ、今日は疲れましたので、志摩子さんの家に帰ります』



母は嫌な顔をしていたが
私だって、嫌なんだ


出来ることなら縁切りをしたいくらいだ
早く着物を脱ぎたい、
それに、……考えたい



斗真さんのこと。



自然と自分の唇に指で触れる
まさかキスされるなんて思ってもみなかった


嫌じゃなかった
……また、したいとも思った



私のファーストキスだ



父は私の唇に興味がない
興味があるのは身体だけだった


……よかった、
ファーストキスだけでも
この人と、と思える人で。


もし、今日
斗真さんに会わなければ
確実に相手は陽介だ



それにしても、
あの場所になぜ斗真さんが?


そんな疑問を持ったが
誰にも聞けない



そうしていたら、志摩子さんの家に着いた



『おやすみなさい』


そう言って降りれば
一言も発しなかった父が降りてきた



「志津香、近いうちに遊びに来なさい」


それだけ言って、また車に乗り込んだ
何かあったのか……
父の顔が、少し気になったが
返事はせず、そのまま家に入った
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