政略結婚から助けてくれたのは御曹司様



新居に足を踏み入れてから4時間
時刻は7時前


もう少しで、陽介が帰ってくる




「今日は早めに帰るよ、7時には帰るから、ご飯の用意をお願いできるかな?」


陽介の口調は優しい
総会の日が嘘のように思える

あの日さえ無ければ
もしかしたら、陽介との暮らし
陽介との結婚を今より少しは
楽しめたかもしれない


……、もしこれが斗真さんだったら、




ふぅーっ、


「肉じゃがが食べたい」


陽介は、家庭料理に飢えているらしい
外食が多いからだろう



ピンポーン、



帰ってきた、
廊下のモニターを確認する


「ただいま」


『おかえりなさい、今開けます』



オートロックを解除し玄関に向かう
もう、逃げ出せない
もう……諦めよう



斗真さんが言ってくれた言葉
あれで救われたのは確かだ

けど、現実には無理な話



『おかえりなさい』


そう言えば


笑顔でただいま、と言う陽介
私を抱きしめてくる


ゾワッとしたが、拒否することはしない
する権利は私にはないんだ


『今日から、宜しくお願いします』



そう言うと陽介も、よろしくと言う



これでいい、
こうやって生きていけば問題ない

両親との地獄だった生活から
抜け出せたと思ったら楽だ


そう思っていた…
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