政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
「志津香の料理は美味しい、これなら毎日でも食べたいよ」
陽介は幼少期から家政婦が作った食事を摂っていと聞いた
小さい頃からナイフとフォークが当たり前で、お茶碗なんて殆ど使わなかったらしい
だから、わたしが作った家庭料理を
えらく気に入ったという
「会食以外は志津香の料理を食べたい」
これでいいんだ…
『陽介、お風呂の用意ができてます』
洗い物をしようとキッチンに向かっていた
水を流した時、ゾワッとした
「一緒に入らないか?」
耳元で聞こえてくる陽介の声
『…っ、で、でも……洗い物が…』
そういうと、陽介はレバーを戻し水を止めた
ぎゅっ、と抱きしめられ
首筋に陽介の唇が触れた
ダメ…、気持ち悪い
父と同じ感覚だ
「…嫌?」
嫌だ、絶対…
けど、私に拒否権はない
『…恥ずかしく、て』
そういうと、クスッと笑い
私から離れてくれた
「いいよ、今日は我慢する。けど我慢するのは今日のお風呂だけだよ?」
悪魔に見えた
地獄からやっと抜け出せたと思ったのに
また地獄の始まりなのか、
けど、やはり拒否権はない
嫌だと思っていても、受けなくてはならない
それが私の宿命だ。