政略結婚から助けてくれたのは御曹司様


そこからは私の未知の世界
未知というか……地獄だ



いつも優しい父の目が変わったのがわかった
どんなに逃げても追ってくる

父に対して恐怖を覚えたのは
今まで一度もない



『お、…お父様?』


「さあ、おいで。志津香に教えなくてはならないからな…」



そう言って、私の手を引き
書斎の奥の小さなベットルームへと連れて行かれた


まさか……
その恐怖が拭えず
父に握られている手が震えていた



「大丈夫だよ、志津香。ゆっくり覚えたらいい、ゆっくり……」


安心しなさい
ここの書斎は防音になっているから
心配ないよ…



悪魔のささやきだった




どんなに逃げようが、叫ぼうが
誰も助けに来ない
父は何度も私をベットへと引きづり戻した



気持ち悪くて
鳥肌が立ち、吐き気がした


痛さに叫び、涙を流し
どんなに叩いても、父は離れなかった




「志津香が大人になるためだ」
「誰にも話したらダメだよ?志津香は良い子だから、わかるね?」


明日も来るように、



そう言って、父は書斎を出て行った
残された私はベットの中で
体を丸くして泣いた



いつか大好きな人と……
そんな淡い気持ちを持っていた
政略結婚する私には無理な話だと
諦めていたけど
まさか……まさか
こんな事になるなんて思わなかった
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