政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
「申し訳ない、」
私に頭を下げているのは
陽介の両親だ
「まさか、こんなことになるとは…」
堂本ホールディングスの御曹司が結婚する、と言うことで
挙式後に取材を受ける予定だったらしく
記者とカメラマンが数人いた
挙式中、とんでもないことが起きたと
取材陣の人たちは
教会に入り、カシャカシャ写真を撮り始め、大変なことになってしまった
堂本の名前が
明日には嫌でも目にするだろう
そして、明日から私は花婿を奪われた
悲劇なヒロインだ
『あの…、結婚は…』
そう聞くと
更に深々と頭をさげ
申し訳ない、と陽介の両親
『……では、赤城の借金…と、赤城の従業員は…』
私の気がかりは、そこだ。
「…こちらで肩代わりした分は…慰謝料だと思ってくれて結構です…、ただ従業員は…」
赤城が潰れるのは時間の問題、
だから従業員を助けてほしい
が、私と結婚しないなら
従業員を助ける理由はない
「それはこちらで対応します」
私と陽介の両親しかいないはずの部屋に
響いた声に驚いた
「ご無沙汰しています、堂本社長」
そう言って私達に近づいてきた人
以前と変わらず
スーツ姿に、ワックスで決めている髪型
数ヶ月前、私に伝言を残した彼だ