政略結婚から助けてくれたのは御曹司様



「君は…、」


「お久しぶりです…、と言っても忘れていますよね、もう10年も前に一度しか会ってませんから」

そう言って彼は陽介の両親の前に立ち
名刺を差し出した



「神谷斗真です。俺自身はレストランを経営してます。堂本社長に会ったのは10年前のミカワ50周年記念のパーティーでした。俺は当時はまだ高校生でしたが、祖父から顔を出せと煩くて、」



そこまで言うと陽介の父が
ハッとした顔をした


「思い出していただけましたか?」
「苗字がちがうので、なかなか俺を理解して貰えなくて…まあ、その方が俺はやり易いんですが」


全くわからない会話が進んでいく


「け、けど、どうして…」


混乱している様子の陽介の父
けど斗真さんは至って冷静だ


「実は俺も赤城志津香さんに申し出したんですが、赤城の倒産危機があって堂本さんを選んだんですよ。いやー、失敗しました。さっさとミカワの孫だと言っておけば、こんな事にならなかったでしょう。……息子の単独かと思ってたんですが、まさか堂本社長が裏で操っていたなんて知らなかったですよ」


笑いながら言う斗真さん
顔を青くしている陽介の父と陽介の母


全くわからない私は
斗真さんのスーツの裾を引っ張った
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