政略結婚から助けてくれたのは御曹司様


ことが終われば
用済みの私は、さっさと服を着て書斎から出る


父の……玩具だ
父の気まぐれの……。


私が書斎から出る頃には
父はまたパソコンに向かっていた


以前はこれが母の役目
だけど、その母が
夫より外の男に目を向けている
父はそれを知っているが
母に何も言わず、黙っている

もしかしたら
私は母の身代わりなのかもしれない


父に触れられると鳥肌が立つ
それは今も変わらない
それでも、父はやめない



「志津香お嬢様、お疲れでしたら紅茶をお持ちしましょうか?」


部屋に戻る途中、お手伝いさんに声をかけられるが、そんな気分ではない


『大丈夫です……あ、志摩子さんに今年の総会に参加すると伝えといてください』


志摩子さんは私の叔母にあたる
父の姉だ

父とは違い、志摩子さんは節約家
豪遊好きな私の両親を毛嫌いする

祖父の血が濃く流れているんだと思う
そんな私を志摩子さんは娘のように接してくれて、気にかけてくれる

志摩子さんは私が通っている学園
城ヶ崎学院の理事長をしている

城ヶ崎志摩子、
志摩子さんは政略結婚で城ヶ崎家へ嫁いだ
志摩子さんは城ヶ崎グループの御曹司
城ヶ崎健彦さんの事が好きだった
だから、志摩子さんは幸せだと言っていた


政略結婚でも、幸せになるんだと
志摩子さんを見て知った

どんな巡り合わせで私の両親が結婚したのかわからないが、志摩子さん夫婦の方が全然幸せに見えた
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