正義の味方に愛された魔女2
ほぅほぅ……。
心の中は苦しみでドロドロだ。

なんだか色々と失礼な誤解や妄想がヒドイけど。
浮気疑惑は…この人の中に視える彼の姿からだけじゃ真相は判らないわ。


会話の無い夫婦か…。
ほんとに何やってんのさ……雅也ってば!


「痴呆症のご家族の介護は辛かったでしょう…。
同情されるのは嫌でしょうけど。
ご主人の協力は…話し合いはされなかったんですか?
お義母さんの事だけじゃなくて、息子さんの事も」


「だって!!
仕事で滅多に家にいないのよ?!
話をしようと思って遅くまで待ってても、
香水の臭いぷんぷんさせて帰ってきて、
疲れたって言ってすぐ寝ちゃうし。
浮気なんでしょ?そういう人だもの。
私だって最初は浮気相手だったの。
奥さん妊娠中でね。略奪しちゃった。
きっと、バチが当たったのね?」


「浮気…ですかね。
仕事のお付き合いではない感じ?
聞くのも怖いですものね、そういうの。

バチ…じゃないと、私は思います。

これから話すのは、想像なので聞き流してもらって構いませんけど……、

麗子さんは、会ったことのない前の奥さんに対して罪悪感がすごくあったでしょう?

離婚させてしまった時、謝罪に行こうとしてご主人に止められませんでしたか?
そのあと、前の奥さんからご主人宛に子供の様子を知らされませんでしたか?

そういう事が、もしあったとしたら、
それを聞くたびに麗子さんは申し訳なさでいっぱいになったのではないですか?

それと……ご主人が、前の奥さんと子供の元に戻ってしまうんじゃないか?と疑って、信也くんを妊娠して出産するまで自信がなかったんじゃないですか?」


「えぇ……えぇそう、そうでした……」


「……あぁ、泣かないで。
あそこに座ってるあの大きい人ね、女の人が泣くのを見るの苦手なんですって。
一応管理職で部下もたくさんいるのに、オロオロして仕事にならなくなるんです。
可哀想だから泣かないであげてくださいね…。


たくさんの謝罪の心に苦しんだのに、今さらバチが当たるなんて、そんなことは無いです。
昔、ご主人は愛情を感じられなくなった前の奥さんと別れて、愛する麗子さんと再婚した…。
単純にそういうことですよ」

「そぅ……なのでしょうか……。
もう今は愛なんて、無いんです。
信ちゃんだけなんです。
信ちゃんは、あのとき寝ていたの!
私がお義母さんを……」


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