正義の味方に愛された魔女2

② 腹違いの兄弟

麗子さんが待合室に戻ると雅也が声をかけた。


「……たくさん、話せたか?」


「うん、いい人だったわ。
信ちゃん、貴方も安心してお話していらっしゃいね」


「では、今から15分後に佐伯信也さんの面談を始めます。少しゆっくりしていてください」


龍二は雅也がいると完璧ビジネスモードだよね……。




私と龍二は一旦退出して打ち合わせ室に戻った。


「………疲れただろ?気分悪くないか?」


「うん、大丈夫。
次の、隼人と腹違いの弟の方が、なんかありそうでちょっと不安…」

26歳とあったけれど、すごく幼く見えた…。未成年に見えなくもない。


「腹違いの弟か…そうなんだよな…。
だけど外見ぜんぜん似てないぞ?
隼人は百合の顔コピーだからなぁ…。

なぁ、『なんかありそう』って、
この前言ってた『心の奥のそのまた奥』の無意識の話?」

《飛ばされるとか引きずり込まれるとか、そういう感じがするんだよな?》


「うん、あれ怖い」


《何かあったら俺にわかるように合図してくれよ…一人で苦しくなるなよ?》


「龍二に触れば中和してもらえるって前に言ってくれたものね、わかった。なんとか
伝える」


《こう……しに行ってやるから。そうすれば安心するだろ?》

「俺の充電、完了!」


抱き締める癖はここではマズイよ。
さっきから、誰もこないのをいいことに……署内ですが……。





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