正義の味方に愛された魔女2
「ねぇ…隼人は、たぶん夜に来ると思うんだ…。

私一人で話したら、
『女心をもてあそぶ様な力の使い方はするな!禁欲だ!』
とか言って、私目線の女心を押し付ける制裁を下しそうでしょ?

だからね、その日、正義の味方にいてもらえると心強いなぁって…」


おや?ここで抱き寄せ入りますか?


《何のために今日あれだけ運び込んだか解ってるはずだけどなぁ…》

「あのさ、俺が帰る場所、もう今日からずっとここになったんだけど。
あっちの俺の部屋、荷物置き場になってスタンバってるし。
だから隼人が来る日、遅くなったり泊まりにならなければ居るだろうな」


「え?…そうなの?
そっかぁ…引っ越しはまだ先だから、
同棲始めた気分になって楽しんでるように視えたの。

なんだ。今日が同棲記念日でいいんだ!」


《おっ…?
予期せずして、軽くサプライズプレゼント成功したんじゃないか?これ!》


「そ、そうかも…うん」

喜んでる喜んでる…。


「俺このこと絶対忘れねー」


「うん!サプライズプレゼントありがとう。思ったより早く一緒に暮らせるようになって嬉しい…」


《あと……もう少し待ってくれな?バレバレだからいろいろ解ってるだろうけど…》


だからさ、龍二のペースでいいんだってば、もう、嬉しいな。

「え?今ちょっと視えなかったなぁ……何がバレバレ?何のことぉ?訳わかんなぁい……」


「……っ!こらっ…魔女狩りするぞ!」





「えーっ?ちょっと、うそでしょ?」


そんなに軽くないはずなのに、ひょいっとね…本当にひょいっと抱き上げられてしまった。
鍛えてるんだったよね、そうだった。

この歳でお姫様だっこされるとは…さすがに油断して直前まで視えてなかった…。


「待って待って、お風呂っ!」


『24時間いつでも入れます式』は、こういう時も好都合…。
気分が盛り上がっても、やっぱりお風呂入ってからにしようよ。


「そーか、風呂がいいか。わかったー」


………これは視えたけど。遅かったね。言い方間違った。


「いや、別々に入……『却下!』」


はい。わかりましたよ。




温まって綺麗に気持ちよくなったけど…グッタリ…。
熟睡するにはいいんだけどね。


それでもベッドに入ってやっぱり物足りなさをアピールされた。


…底無しの性欲を持つ驚異の40歳…。


「一回につき一回って約束だよね?」


………ん?なんか、
腰の上あたりに固いのが当たってるんですけど!


《百合が壊れるから、するのは一回だよな?出すのは二回でもいいよな?》

「百合さぁん……俺、初めての時に口でしてもらったのが忘れられないよぉ……。
あの時、嬉しかったなぁ……気持ち良かったなぁ……上手だったなぁ……またしてくれないかなぁ……」


「龍二、キャラ崩壊してるよ」


《百合の口が欲しい……破裂しそう》


「もー!」


モゾモゾと潜って行って、頑張った。
だってね、よろこんでもらえたら私も嬉しいから……。









しばらくお待ちください。
彼なりに我慢してからの行為ですから、
さほどお時間は取らせません。










「よかったよ……ありがとう。俺、幸せな奴だよな……」

《…なぁ、毎日一回したい…。
いや…毎日朝晩一回ずつし「多くて一日一回、一回につき一回。用法用量を守って正しくお相手ください。」……ぅう、はい。
でも百合だから何回も元気になるんだ……》

心の声にも被せてやったよ。
毎日一回って……それでも多すぎるよぉ。





背中から抱きしめられて、後ろからキスをされた。

「ん…っ……。おやすみ、龍二。どんなにエロくても大好きだよ」

これから毎晩、龍二の心を聴きながら眠れるんだ。
話す声より少しだけエコーがかかったその低音の響きが、どんな音より好きだと思う。


《おやすみ百合…愛してるよ》




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