正義の味方に愛された魔女2
2 リミッター無しは大変です
時は、一週間前に戻る……。


Voice of hartの商品が盗難にあい、
龍二が来てくれて、担当刑事さんと鑑識さんを呼んでくれてお世話になり、
『抱擁 in バックヤード事件』に続いて、
警察署でのアレコレとボランティアのあと、
なんだかんだ色々あって、
『ボスの女』だと公表されてしまった。


捜査一課の方々とは、時々しか顔を合わせなかったはずなのに、
とっくに彼女だと思っていた人が少なくないのはなぜでしょう?




その日、
送ってきてもらった時はもうだいぶ暗くなっていた。

いつもより長く沙耶ちゃんをお店に一人だけにしてしまって、
今から帰って晩ご飯なんて面倒でしょ?
ということで、
うちで三人で食べることにした。

あり合わせの野菜とお肉でお鍋が簡単!
寒いしちょうどいいね!
ビールとか、無いけど……。

スッキリ冷蔵庫の在庫処分が出来てしまった。

〆のおじやで(うどんが無かった)お腹が膨れたこともあり、
沙耶ちゃんを駅まで送りがてら、
腹ごなしに三人で外を歩く………。




「百合さんと荒川さんって、なんだかご夫婦みたいですよね………」


「なっ……えー?」


何を言い出すんだこの子は!
すかさず沙耶ちゃんにくっついて、視た。


《もう同棲でも再婚でも、なんでもして、
早いとこ、くっついちゃえばいいのに…。
荒川さんは彼氏じゃないのかな…?
こんなイケメンアラフォー、しっかり捕まえておかないと!》


「そぅか?俺ら、付き合い長いからなぁ。
それなのに『俺の女』って言えるようになったの、実は今日。ついさっきなんだよ。
俺って、奥手なの……。おじさん、今日は一日頑張った……ははは!」


「えーっ!そーなんですかぁ?やだぁ!
荒川さん、さらに頑張って百合さんと再婚してあげてください!」


「……いや、あのなぁ……」

《若いって凄いよなぁ。怖いもの無しか》


沙耶ちゃんの暴走は、駅に着くまで続いたのだった。





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