正義の味方に愛された魔女2
家について、まずはお風呂で冷えた体を温めよう、ということで、
龍二に先にゆっくり入ってもらった。

隼人と二人で暮らしていた頃も、お風呂は後。
人より先に入るのはどうも気が引けるのだ。


「疲れたでしょ?寝てていいよ?」


わざとらしく言い捨ててお風呂場にいこうとしたら、
初めて寝室を開けたであろう龍二に、驚いた声で聞かれた。
うん、予想はしていたけど誤解だよ。


「おい!なんで一人暮らしなのにダブルベッド?!
しかもダブルよりなんかデカくないか?
実は、誰かと暮らしてた?」


「やっぱり聞かれたね、絶対誤解されると思ってた。違うの。
ここに引っ越した時に買ったやつだよ。

それまで、ベビーベッドとか使わないで、
隼人と一緒に寝てたの。
子供のうちは添い寝したいな…って。

それで、ここに引っ越す時に、
ちょっと転がっても落ちないくらいの広さのベッドがいいなと思って、
幸いここの間取りがだいぶゆったりしていたからクイーンサイズに買い替えたの。

年長さんくらいまで一緒に寝てたけど、
隼人の部屋にはちゃんとシングルあるよ」


「なんだ…そっか。
でもちょうどいいよな…シングルだったら俺一人でもキツイから。
これなら思いっきりイロイロ……」

エロ男のひとりごとは聞こえない振りでお風呂場へ逃げた。


湯船に浸かって考える。
「いいんだよね。『心の奥まで視てくれ』って言ってくれたんだもの、彼は覚悟してるんだよね。
問題は、視えちゃて聴こえちゃう私の方だよね。
…………もう。
やってみないと、わかんないよね。
何が起きても大丈夫だよね…」




寝室の前に立って、今さら躊躇する。
往生際が悪いなぁ……。

深呼吸を三回繰り返して、静かにドアを開けた。



< 7 / 50 >

この作品をシェア

pagetop