放課後、キミとふたりきり。

なぜこのふたりがここにいるのかがわからなかった。

何かの作戦かと思ったけれど、どうも様子がちがう。

ケンカも演技ではなさそうで、このままだとヒートアップして、サプライズのこともうっかり喋ってしまうんじゃないかと心配になってきた。


とにかくふたりを矢野くんから解放して、ここから遠ざけないと。



「あ、あの。ふたりとも、ちょっと落ち着いて……」

「沢井さんは黙っててくれ!」

「そうだ! 俺はずっとコイツに腹が立ってたんだよ!」

「はあ? それはこっちのセリフだ! いつも何でも俺のせいにすんのやめろ!」

「してねぇし! つーかいつも俺を巻き込むのはやめろ! てめーのせいで俺がどんだけ迷惑してるか……」

「被害者ヅラすんのもムカつく!」

「なんだと!」



ふたりが互いに拳を振り上げかけた時、間近で見ていた矢野くんが「あーもう、うるせぇ!」と怒りを爆発させるように叫んだ。
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