放課後、キミとふたりきり。
「どっちが悪いとかどうでもいいんだよ! それよりお前ら、なんでこそこそ覗いてやがった?」
「え……っ」
「そ、それはだな……」
ぎくりと身体を強張らせ、顔を見合わせる越智くんと横山くん。
声には出ていなくても「どうする?」「なんて言う?」というアイコンタクトのような相談が聞こえてくるようだ。
つまり、たぶん、このふたりは特に理由がなくここにいるらしい。
「お前ら買い出し班じゃなかったのか? 買い物はどうしたんだよ」
「か、買い物は、なんていうか。終わったというか……」
「終わった? ならなんでみんな戻ってこねぇんだよ」
「い、いや! 終わってない! まだ途中でした!」
「途中なのになんでお前らはここにいる?」
「えっ!? いや、それはだな……」
ふたりはもう一度顔を見合わせると、なにを思ったのか突然教室のドアに向かってダッシュした。