放課後、キミとふたりきり。
「た、企むなんてそんな……。き、きっと特に深い意味なんてなかったんじゃない?」
「だったら何こそこそしてたっつーんだよ」
「それは……なんとなく、気になった、とか?」
「はあ?」
「ほ、ほら! 男の子ってそういうの好きじゃない? 隠れて様子うかがったり、悪気なくいたずらしようとしたり。よく面白がってやるよなあと思って……」
実際授業中に、先生が黒板の方を向いている間にそういう悪ふざけをしているのはわりと見かける。
矢野くんも少し考え「確かに」とうなずいた。
「まあ……栄口あたりが好きそうなことだけどな」
「でしょっ? だから、あのふたりのことは気にしないで、作業続けようよ」