放課後、キミとふたりきり。

「矢野くんも……アルバムもらったら、邪魔だって思う?」

「思う」



即答だった。

考える様子も迷う様子もなかった。


矢野くんらしい。

彼は大勢の意見に流され、いい加減に同調したりはしない。

いいものはいい。悪いものは悪い。

それを自分の中に通った強い芯で判断している。


みんなは良いと言ってくれたけれど、矢野くんはそうは思わないようだ。

それをプレゼントするってどうなんだろう。

ただの押し付けになるんじゃないだろうか。


いまからでもやめる? 別の方法を考える?

でも、どうやって?


ぐるぐる悩み、机の上のアルバムと写真を見つめたまま固まっていると、前の席から大きなため息が聞こえてきた。



「……んな顔すんなよ」


あきれるというより、困ったような声にハッと顔を上げると、髪をくしゃくしゃとかき混ぜ、矢野くんはわたしを見た。



「でかいし重いし、邪魔だとは思うけど、嫌とは言ってねぇだろ」

「じゃあ……嬉しい?」
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