放課後、キミとふたりきり。

不機嫌そうに言われ、あわてて姿勢を正し準備を始める。

そうだ。のんびりしている時間は彼にはないんだった。


さっきの矢野くんの言葉を、本当にしたいと思った。

このアルバムを完成させて、彼に渡した時、彼が嬉しいと思ってくれるように、心をこめて作ろう。

普段写真を撮らない彼だからこそ、思い出にこういうものをプレゼントするのはいいのかもしれない。



「最後は……そっか。学園祭なんだね」



教室の前でクラス全員で撮った写真を見て、自然と微笑みが浮かぶ。

つい先月にあった学校行事だ。

たった一ヶ月前のことなのに、懐かしいという感覚があるから不思議だ。



「学園祭なあ……。正直、イライラしてた記憶しかねぇわ」

「あー……。矢野くん、一度すごい怒ったもんね」
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