放課後、キミとふたりきり。

わたしも相当焦ったけれど、みんなも同じように焦り始め、やる気のなかった人も矢野くんを気にして真剣に話し合いに参加してくれるようになった。


慣れないわたしの下手な司会進行にも文句も言わず、むしろフォローしてくれて。

矢野くんがいない分がんばらねばと、学園祭の実行委員の子と目まぐるしく動いていれば、誰かが足りないところに気付いて手を貸してくれた。


矢野くんがいなければ無理だと、彼が表舞台から降りた時は絶望した。

わたしひとりじゃ絶対にクラスをまとめることなんかできない、と。


けれど気づけばバラバラだったクラスは一丸となり、無事に教室展示のお化け屋敷を完成させ、学園祭当日を迎えていた。


矢野くんは学級委員としての仕事は放棄したけれど、クラスメイトのひとりとしての仕事は黙々とこなしていた。

お化け屋敷のセットを作ったり、当日のおばけを担当したり。

けれど最後まで彼は中心に戻ることはなく、学園祭を終えてしまったのだ。
< 165 / 223 >

この作品をシェア

pagetop