放課後、キミとふたりきり。

「はあ? なんで俺がわざとそんなこと」


なに言ってんだこいつ、という目で見られたけれど、怯まなかった。

いつもならそうだよねと引き下がるところだけれど、間違いないという妙な自信があった。


「ずっと、もしかしたらって思ってたんだ。矢野くんは、なかなかやる気を出さないみんなのことを考えて、わざとああやって怒ってくれたんじゃないかって」

「……んなわけねぇだろ」

「でも矢野くんがあの時怒ってみんなを焚きつけてくれたから、学園祭は成功したんだよ。お客さんもたくさん来て、みんなも嬉しそうだった。大変だったけど、やって良かったって。それって全部、矢野くんのおかげだよね」



あの時のことを栄田くんたちが「矢野の乱」と言ってたまにネタにして笑っているけれど、あれがなければきっと学園祭はグダグダなまま終わっていた。

この写真のように、みんなが笑顔で終わらせることはできなかったと思う。
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