半分のキモチ
「……でね。って、勇馬聞いてる?」

「あ?聞いてる」

「ボーっとして調子悪いの?」

「悪くねーよ。心配すんな」


俺がそう言うと「無理しないでね」とりさは笑った。


「ライブどうだった?」

「うるせーだけ」

「何それ、楽しくなかったの?」

「……楽しかったぜ」

「私も行きたいな」

「ライブに?」

「うん。裕介君に私の分のチケットも頼んでよ。そしたら、一緒に行こうよ」

「……あぁ、聞いてみる」

「ライブって行ったことないから、絶対に聞いてね」

「あぁ」


りさには悪いけど、裕介に聞くつもりなんてない。
アイツらのライブにはもう行くつもりはない。
 

行けば宮本がいる。
そこに俺が行けばどうなるかは分かる。
りさを連れて行けばどうなるかは分かる。

< 159 / 250 >

この作品をシェア

pagetop