半分のキモチ
「邪魔はされたくないからな」


正也はそう言ってタバコに火をつけた。
思わず"俺にも"と言いそうになるくらい動揺はしてた。


「邪魔って、別に俺は邪魔する気なんてねーよ」

「別にお前が邪魔するなんて言ってないだろう」


なんだ。
この腹の探り合いみたいな会話は。


「……清水、お前さ。高校生活楽しかったか?」

「は?なんだよ。急に酔っ払ってんのかよ」

「酔っ払ってるかもな……だから、明日には忘れてるな。お前と話したことは」


正也はタバコを灰皿に押し付け笑った。


「……楽しかったよ」


俺がそう言うと「そうか」と嬉しそうに正也は笑った。


「正也は?どうだったんだよ。昔」

「まぁ……俺も楽しかったな……でも、後悔はある、な」

「……後悔?」

「あの頃は精一杯考えてたつもりだったんだけどな、今思えば……後悔だな」

「……」


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