君がくれたもの
「…兄貴は生きてます。」
驚く冷夏さんから目を離さずに真剣に、
言えなかったことをいう。
今まで聞いてくれなかったこと、
きっと今なら聞いてくれる、そう思ったから。
きちんと言おう。
「…優香は俺と兄貴の妹です。」
言葉を失い続ける冷夏さん。
「兄貴は、確かに今生きてます。
しっかりと生きようとしています。
…けど、俺の大切な人は今生きる意味もなくして、
死へと着々へと近づいています。
俺の、大切な人に何を言ったんですか…。」
俺の低い声にビクリと震えた冷夏さん。
「俺をあなたと同じ思いにさせようとしているんですか。
日菜子に何を言ったんですか…」
そう言っても話そうとしない冷夏さん。
「…答えてくれないなら兄貴の病院も現状も教えません。」
そう言うとゆっくりと冷夏さんは、
日菜子に言った事を話し始めた。
最後まで聞いた時、思わず冷夏さんの胸ぐらを掴み上げた。
優香と、俺の弱みを利用して別れさせたこの女の神経がわからない。
顔を歪めながら
「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ」
そういう、その女。
けど、俺は許せない。