浅葱の桜
「御父様……?」
殺されそうになっても変えられない呼び名。
けれど、私には彼をそう呼ぶことしかできない。
今はもう、それすらも意味のないこと。
そこには見開いた目で天を仰ぎながら腹から何本もの刀を生やした私の父親だった。
左手は肩から先が見当たらないし、腹部からは見たくもないものが零れ落ちている。
火に照らされて煌々と光っている様は衝撃を通り越して嫌悪感すら感じてしまった。
「ゔーーっ」
慌てて口元を押さえるもののせり上がってきたものは止まらない。
沖田さんの腕から飛び降りると場所も構わず吐いた。
最近何も食べてなかったせいで出るものもほとんどなかった。
喉が痛い。口をゆすぐこともできなくて乱暴に口元をぬぐった。