浅葱の桜



私は沖田さんに手を握られ、その状態のまま逃げ出した場所へと戻った。



「土方さん。ただいま戻りました」

「おう」



障子を開けて部屋に入るとギョッとした表情の土方さんは頭を抱えて沖田さんに質問をした。



「なんでそんなに汚れてるんだあと、なんであいつの顔」



壊滅的、と聞こえたのは気のせいではないだろう。女の顔見て壊滅的とは失礼極まりないが否定できない。



「……彼女の用事で」

「用事ぃ?」

「わ、私の……家族を、弔って、いました」



肩を縮こめながら言うと土方さんは沖田さんに視線を送る。


それに頷いた沖田さんに土方さんははぁっとため息をつくと私たちをその場に座らせた。



「で、テメェが逃げ出したのは、その家族を弔いたかったってのか?」

「はい」

「事実か、総司」

「ええ」

「……その家族はなぜ……亡くなったんだ」



言いにくそうに言った土方さんの問いに私よりも沖田さんが早く答えた。



「殺されていました。全員。多分相当腕の立つものがやったものでしょう」



帰る直前も襲われた。そう説明すると、土方さんは眉をひそめる。



「そいつが誰かわかるか」

「いえ。ただ、彼女の身柄を狙っていることは確かです」


その台詞でビクッと体が跳ねる。



「……そうか。わかった。総司」

「なんでしょうか」

「今夜はテメェの部屋に泊めろ。明日、結論を出す」

「……は、……了解です。土方さん」



そういったかと思うと私の腕を掴んで部屋を退室した。


は……い……?


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