浅葱の桜



ずんずん進んで行く沖田さんに引きずられるようにして歩きながら着いたのはあの部屋だ。



「入って」

「は、はいっ」


私が入ったのを確認すると左右を見回して沖田さんは障子を閉めた。


そして、箪笥を漁りだすと小さめの着物と袴が一つずつ出される。



「それに着替えて」

「は、はいっ!?」



こ、これに?


これは明らかに男物だし、大きそうだ。



「いいから着替えて。そんな泥まみれの服で過ごすの嫌でしょう」



ま、まぁそうですけど!



「ここで?」

「他にどこで着替えるの?」

「……沖田さん、すいません」



こ、この人本気でわかってない!


受け取った着物で頰を隠しながらぼそっとつぶやく。



「恥ずかしいので……外で、見張っていてください」



数回瞬きをするとぼっと顔を赤くした沖田さんは急いで外に出た。



「なるべく、早く着替えて」

「わかってます」



障子越しに沖田さんに背中を向けると紐を緩めた。



* * *



「着替え、終わりました」

「じゃあ、入るよ」


沖田さんに渡された着物はやっぱり少し大きかった。でも、これくらいなら大丈夫だろう。


淡い青の無地の着物は幸い私が着ても違和感がなくて少しほっとしている。



「じゃ、後ろ向いて」

「はい」



素直に後ろを向くとギュッと紐で結ばれた。



「え?」

「君に自由に動かれちゃ困る。だから縛らせて貰う」



そう言うと足首も同じようにギュッと身動きができなくなる程きつく縛られた。


こ、このまま……寝る、の??


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