浅葱の桜
「わ、かり、ました。でしたら、密月……ちゃんで」
「おっ、可愛い〜っ」
ぎゅっと抱き着かれて体勢が崩れる。
「ねぇ、沖田さ〜ん! こんな可愛いこ何処で見つけたのよぉ〜っ!」
ずるいぃ〜って、駄々っ子のように拗ねる密月ちゃん。
こ、この状況は一体……?
「あ、沖田さん……んぐ?」
口の中に押し込まれたもの。
びっくりして対応できなかったけど、飲み込もうとして喉に詰まった。
「ん……ぐ、うううっ」
不自由な体でお茶を探すけど、動く範囲が狭すぎる。
手が湯飲みをかすめた時はもう限界で。
口に流し込まれたお茶でようやく呼吸を取り戻せた。
「はぁっ、死ぬかと思った」
「大げさな」
「大げさなんかじゃありません!」
おかげで団子を味わう事すら出来なかったじゃないですか!
「最後の一個ぐらいあげようと思ってしたのに」
……ん? もう最後の一個?
「食べるの早すぎません!?」
「あ〜、これが日常ですよ。美櫻」
食べる早さ、尋常じゃないですって。
食べるの、楽しみにしてたのに。
がっくり。